歯の根の治療
虫歯は、かかっていると気が付きながらも放っておく方が多い病気です。しかし、放っておいては大変危険です。虫歯は自然治癒することはないので、いずれは歯科医院での治療が必要になります。ずっと放っておくと虫歯は歯の神経にまで進行し、激しい痛みをともなうようになり、最悪の場合、神経が死んでしまうのです。
歯の寿命と神経の関係
歯を木に例えてみましょう。“生きた”木は土から養分を吸収しているため、なかなか折れることはありません。しかし“枯れた”木は、どんなに太くて丈夫そうでも、“生きた”木に比べれば折れやすくなります。
歯も同じく、神経を通して栄養(養分)をもらい “生きて”います。ですが、神経が死んでしまえば栄養を得られず、やがて歯が使えなくなってしまいます。つまり、神経が死んでしまう=そのままでは歯が“生きて”いられなくなる、ということなのです。
抜歯するか、根管治療するか
神経にまで虫歯が進行してしまうと、単に歯を削るだけの治療では済みません。抜歯か根管治療をすることになります。
もちろん、痛みの原因となる歯を抜いてしまえば、すぐに痛みは治まります。しかし、歯を抜くことは、痛みを取り去るための一時しのぎといえます。歯は、1本でもなくなると残存歯の歯列に影響を与えるため、安易に抜歯はおすすめできません。また、抜いたままにしておくわけにもいかないので、費用と時間をかけて補綴治療をする必要が出てきます。一方、根管治療は治療に時間がかかりますが、大切な歯の寿命を延ばすことができるのです。
誰でもできることなら歯を失いたくはないでしょう。根管治療は複雑で難しい治療ですが、歯を守るためには必要なのです。
神経を抜くことのメリット・デメリット
歯の神経は歯に感覚を与え、歯に栄養を送る役目を果たす重要な組織です。しかし実際のところ、虫歯の進行によっては除去を余儀なくされるケースもあります。ここでは、そのメリットやデメリットをご紹介します。
神経を抜くメリット
抜歯を回避できる | 細菌は神経を通って奥へ奥へと侵入してきます。神経を抜いてしまえば細菌の経路を遮断でき、最悪の事態(抜歯)を避けられるのです。 |
痛みからの解放 | 神経を抜くことで、歯は感覚を失います。そのため、虫歯の痛みから解放されます。 |
神経を抜くデメリット
治療費がかさむ | 歯の神経を抜く治療には時間がかかり根気が必要になります。また何度も通院が必要になるため、ある程度費用がかさみます。 |
異常を自覚できない | 神経を抜くことで虫歯の痛みから解放されますが、再度その歯に何か異常が起こっても、感覚がないため自覚することができません。被せものの中で虫歯が発症していることがわからないこともあります。 |
神経を取るのは身体へ負担もかかります。取らなくても済むよう、虫歯の早期治療・早期発見に努めましょう。
それではいったいどんな時に根管治療が必要なのでしょう? 根管治療が必要な時の痛みや症状をご紹介します。